morgenschön [音楽雑感]
前回の記事から時間が空いてしまいましたが、前回、
Bachのライトモチーフとも呼べるような象徴的音型は、コラールの歌詞と密接に関係している・・・・
ということを学んだところまで記録しました。
その後たくさんのコラールや歌曲を実際にあたってみて、思い当たることや新しく知ったことなど、多々得るものがありました。
元々、ドイツ語に限らず大方の外国語の歌は、一つの音に一つの言葉が入ります。
一つの音に一つのシラブルしか入らず、言葉として成立させるためには複数の音が並ばなければならない日本語の歌で育った者には、最初からハードルが高い話ではあります。
ひとつ、面白い発見をしました。
シューベルトの「野ばら」の楽譜を見ていたときです。
周知のとおり、詩を書いたのはゲーテです。
冒頭に「morgenschön」という言葉がでてきます。
これは、「朝」と「美しい」という言葉をつなげたゲーテの造語なのだそうです。
jung und morgenschön・・・「咲いたばかりで」「夜明けのように美しい」という意味になるのでしょう。
有名な近藤朔風さんの歌詞では、「清らに咲ける」となっています。
旨い訳だと思います。
問題は、そこに充てられたシューベルトのメロディーです。
この曲はト長調の曲なのですが、「morgenschön」のところ、ドの音にシャープがついています。
ここで転調してニ長調になるんですよ。
これは一瞬の転調で、「ばらよ、ばら、赤いばら・・・」のくだりになると元の調にもどります。
美しいばらを見て、子供が喜んで駆け寄るその一瞬の描写にシャープをつけて5度上の明るい調にキラッと転調するんです。
ドイツでは、シャープのことをクロイツと言ったりしますよね。
「morgenschön」に小さな十字架をつけて別の世界にとんだととらえると、なにかとても意味深で象徴的な気がします。
天才の作曲家にかかると、こんな風に言葉とメロディーが有機的に機能して素晴らしい作品が生まれるんだな、と実感しました。
ただね、喜んでこのことを職場で言ったら、
「そんなの皆知ってるわよ、何を今さら」みたいに言われてしまった。
そうだったのか~・・・シュン
またしても、知らないのは私だけ、なのね~~
ま、いいや。
自分にとって大切なことなので、ここに記録しておきます。
いや~、パソコンが壊れまして。
電源ボタンが効かなくなってしまい、線を全部抜いて静電気を放出してからまた繋いで、を繰り返してだましまだし使っていましたが、もうそこそこ年季が入ってきたしガンバって買い換えました。
Windows8になって、まだよく使いこなせていないまま、いつもの通りMineosaurusさんのブログにお邪魔して、
やだわ、また、
出会ってしまった。
超素敵な曲に。
エネスクの
こちら↓
夢みるフーガ
morgenschönならぬnachtschönな、静かな夏の夜に奏でたい素敵な曲。
自分も弾いてみたいな、弾けるかなぁ、と思っているうちにどうしても楽譜を見てみたくなりました。
で、楽譜屋さんに注文をかけたのですがこれが絶版!
アカデミアでさらに探してもらっていますが、3か月たって見つからなかったら諦めてくださいと言われています。
こうなると、どうしても欲しくなってきました。
で、あちこち探していたら、新品のパソコンなのにウィルスに感染してしまったのだ。
マカフィーにもウィルスバスターにもひっかからない。
で、リカバリーしました。
前のパソコンからのお引っ越しが済んだばかりだというのに。
前にエネスクの組曲の楽譜を手に入れた時も、すったもんだしたもんだ。
私、嫌われてるのかも・・・・
ま、いいや
さて、この楽譜を自室にいながら手に入れる方法はないでしょうか?
Bachのライトモチーフとも呼べるような象徴的音型は、コラールの歌詞と密接に関係している・・・・
ということを学んだところまで記録しました。
その後たくさんのコラールや歌曲を実際にあたってみて、思い当たることや新しく知ったことなど、多々得るものがありました。
元々、ドイツ語に限らず大方の外国語の歌は、一つの音に一つの言葉が入ります。
一つの音に一つのシラブルしか入らず、言葉として成立させるためには複数の音が並ばなければならない日本語の歌で育った者には、最初からハードルが高い話ではあります。
ひとつ、面白い発見をしました。
シューベルトの「野ばら」の楽譜を見ていたときです。
周知のとおり、詩を書いたのはゲーテです。
冒頭に「morgenschön」という言葉がでてきます。
これは、「朝」と「美しい」という言葉をつなげたゲーテの造語なのだそうです。
jung und morgenschön・・・「咲いたばかりで」「夜明けのように美しい」という意味になるのでしょう。
有名な近藤朔風さんの歌詞では、「清らに咲ける」となっています。
旨い訳だと思います。
問題は、そこに充てられたシューベルトのメロディーです。
この曲はト長調の曲なのですが、「morgenschön」のところ、ドの音にシャープがついています。
ここで転調してニ長調になるんですよ。
これは一瞬の転調で、「ばらよ、ばら、赤いばら・・・」のくだりになると元の調にもどります。
美しいばらを見て、子供が喜んで駆け寄るその一瞬の描写にシャープをつけて5度上の明るい調にキラッと転調するんです。
ドイツでは、シャープのことをクロイツと言ったりしますよね。
「morgenschön」に小さな十字架をつけて別の世界にとんだととらえると、なにかとても意味深で象徴的な気がします。
天才の作曲家にかかると、こんな風に言葉とメロディーが有機的に機能して素晴らしい作品が生まれるんだな、と実感しました。
ただね、喜んでこのことを職場で言ったら、
「そんなの皆知ってるわよ、何を今さら」みたいに言われてしまった。
そうだったのか~・・・シュン
またしても、知らないのは私だけ、なのね~~
ま、いいや。
自分にとって大切なことなので、ここに記録しておきます。
いや~、パソコンが壊れまして。
電源ボタンが効かなくなってしまい、線を全部抜いて静電気を放出してからまた繋いで、を繰り返してだましまだし使っていましたが、もうそこそこ年季が入ってきたしガンバって買い換えました。
Windows8になって、まだよく使いこなせていないまま、いつもの通りMineosaurusさんのブログにお邪魔して、
やだわ、また、
出会ってしまった。
超素敵な曲に。
エネスクの
こちら↓
夢みるフーガ
morgenschönならぬnachtschönな、静かな夏の夜に奏でたい素敵な曲。
自分も弾いてみたいな、弾けるかなぁ、と思っているうちにどうしても楽譜を見てみたくなりました。
で、楽譜屋さんに注文をかけたのですがこれが絶版!
アカデミアでさらに探してもらっていますが、3か月たって見つからなかったら諦めてくださいと言われています。
こうなると、どうしても欲しくなってきました。
で、あちこち探していたら、新品のパソコンなのにウィルスに感染してしまったのだ。
マカフィーにもウィルスバスターにもひっかからない。
で、リカバリーしました。
前のパソコンからのお引っ越しが済んだばかりだというのに。
前にエネスクの組曲の楽譜を手に入れた時も、すったもんだしたもんだ。
私、嫌われてるのかも・・・・
ま、いいや
さて、この楽譜を自室にいながら手に入れる方法はないでしょうか?
niceと言うよりはお見舞いです。
新しいパソコンでもウィルスには無力ですか!当方はMacがメインなので,そうひどい目には合わずに済んでいますが。
「そんなの皆知ってるわよ、何を今さら」は,どこまでの事を言っているのかですが,「『morgenschön』に小さな十字架をつけて別の世界にとんだ」までが皆知っている(分かっている?)当然の解釈なのかどうかは私は知りませんが,流石にずいぶんハイレベルな皆さまですね。再発見であっても自力で見出されたことは価値が高いと思います。
by Enrique (2014-07-11 18:08)
Enriqueさん、コメントありがとうございます。
私も、今度こそはMacに乗り換えよう!といつも思いながらなかなか踏み切れません。
増え続ける更新ファイルとウィルス対策に追われる煩わしさには、もううんざりなんですけどね。
ウィルスをばらまく人は何が楽しいんでしょうね。
相手の顔が見えるわけでもないのに。
私はずっとボンヤリ生きてきたので、皆がびっくりするくらいに当然のことがわかってないです。(汗)
おまけに人の言うことをきかない偏屈なので、タチが悪いです。
自分で学んだことは身につくので、少しずつみんなに追いつけばそれでいいと思ってますが、Enriqueさん、ありがとうございます。
by glennmie (2014-07-12 01:43)
glennmieさん。知っていることと考え出したことは違いますよ。コロンブスと彼が卵を立てるのをそばで見ていた人の間には、思考の過程ができたかできないかの大きな違いがあるんですよね。
気づくというのはその瞬間、
シューベルトの思考を追体験しているのですから。
エネスクの器楽、特にpianoの楽譜はじっとしていて世界の楽譜が手に入る日本でもあまり見ないでしょうね。叔母が日本に住んでいる私に彼女の娘のために探してくれとメールをよこしたことがあります。
もう10年も前ですから今だったらフランスにあるかもしれませんね。ルーマニアのエネスク音楽協会とか…なんか、目が泳ぎますね。
by Mineosaurus (2014-07-12 20:10)
Mineosaurusさん、どうもありがとうございます。
偉大な音楽家の思考を、ほんの一瞬でも追体験できたのだとしたら、こんなに嬉しいことはないですよね。
もちろん、私の考えつくことは大概的外れだったりしますが、名作と呼ばれるものは様々な解釈もドンと受け止めてくれる大きな器なのだとも思ってます。
知識を積めば解釈も成長すると信じて、勉強を続けます。
ありがとうございます。
エネスクの楽譜、執念でみつけましたよ!
ロンドンの楽譜屋さんの在庫リストから。
無事に届くかは謎ですが、配送依頼をだしてみました。
届くといいなぁ~♬
こんなに素敵な曲を教えてくださって、Mineosaurusさんには本当に
感謝!です。m(_ _)m
by glennmie (2014-07-12 22:51)
見つけたんですか?!執念ですね。さすがイギリスです。おめでとう。イギリスなら一週間ですね。(ロイヤル・メールって言うのは2日でくるんですよ。BBC放送からの契約文書なんか、以前ボクはびっくりしたことがあります。)
by Mineosaurus (2014-07-13 20:51)
Mineosaurusさん、
どうもありがとうございます。
7月22日発送との連絡をいただきました。
ホント、さすがイギリスですね。
今月中には届きそうです。楽しみです。
by glennmie (2014-07-14 00:25)
はじめまして.
レイナルド・アーンのA Chlorisの検索からこのブログに辿り着きました.
趣味で声楽を習っており,新しい曲でフランス語の曲を・・・とユーチューブをかけていたら流れてきて.
歌のところをチェロで演奏するのも良いですね.
古い日記でしたので,最新の日記にコメントいたしました.
そして,この日記のエネスクも良いですね.
by ひろさぶろう (2014-08-07 00:28)
ひろさぶろうさん、
はじめまして。
アーンの「クロリスへ」、本当に美しい曲ですね。
私は歌がうまく歌えないので、この美しいフランス語の詩を再現できないのはとても残念なのです。
でも素晴らしい音楽というのは楽器を選ばず、どんな形に変わっても素晴らしいままなのだということを、Bachを学ぶことで知りました。
エネスクのこの曲もそうですが、まだまだ知らない世界に名曲はたくさんあるんですね。
素敵な曲との出会いは、素敵な人との出会いに似ています。
音楽と、すべての出会いに感謝、です。
コメントを残してくださり、ありがとうございました。
by glennmie (2014-08-07 03:01)