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パウル・ヒンデミットはどこに属するのか・・・・ [Gould]

ヒンデミットの作品が好きです。
彼のピアノ・ソナタは私の”お気に入り”で、とくに3番。その終楽章の三重フーガは圧巻でコンサートでも弾いたりします。
ヒンデミットの何が魅力的なんでしょうか・・・私にもわかりやすい、私でも演奏できるその「実用音楽」の部分でしょうか?単にあのカッコイイ「フーガ」でしょうか?全音音階的なあの独特の響きでしょうか?


1930年代の作曲家をGouldがとても面白くカテゴライズしています。

進歩派・・・・シェーンベルク
新古典派・・・・ストラヴィンスキー

それに対する中道派として、

民族音楽的旋法・・・バルトーク
民族音楽的調性・・・コープランド
後期ロマン派の交響曲悲観論・・・シュミット、ベルク
後期ロマン派の交響曲楽観論・・・プロコフィエフ、ショスタコーヴィッチ
アメリカ的折衷主義・・・ハリス、ハンソン
イギリス的孤立主義・・・ヴォーン=ウィリアムス
フランス好みのプラグマティズム・・・ルーセル、マルタン
フランス好みの理想主義・・・メシアン
ドイツ的プラグマティズム・・・オルフ、ブレヒト
ドイツ的理想主義・・・ヴェーベルン

これが的確な分類なのかどうかは置いておくとして、とっても面白いですね。
そして、肝心のヒンデミットはというと・・・・どこにも属さない。

ヒンデミットとヴェーベルンを対極にある作曲家であるとした上で、こんな表も作っています。

                  ヴェーベルン               ヒンデミット           
────────────────────────────────────────────────────────────────
作品数・・・・・・・・・・・・・    極端に少ない              極端に多い  
形式面・・・・・・・・・・・・・    素材から導かれる、そして       素材と無関係、そして
                   (あるいは)二部形式優先       (あるいは)三部形式優先         

和声との関係・・・・・・・      無調性主義                擬似調性主義
テクスチュアの密度・・・    極度に薄い点描主義          金額に見合った量
対位法との関係・・・・・     カノンが好き               フーガが好き
リズム傾向・・・・・・・・・     非対称的                 対称的
楽器の好み・・・・・・・・      室内楽                  何でもあり
同時代人の間での位置・・    目立たない                目立つ
後世代への影響力・・・・    計り知れない               無視できる範囲


これは納得。


Gouldによれば、ヒンデミットの魅力は、同時代が抱えていた世紀末様式の矛盾を体現しながらも、一貫した知的「平静」状態を目指し、、エクスタシーと理性の真の融合を実現させようとするところにあるそうで・・・・う~ん、わかるような、わからないような・・・・


   

ただ、これを見るとなんとなく納得してしまいます。はい。




     
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コメント 7

glennmie

はっこうさん、nice!ありがとうございます。

by glennmie (2010-02-23 11:07) 

glennmie

ほりけんさん、nice!ありがとうございます。
by glennmie (2010-02-23 11:07) 

glennmie

xml_xslさん、nice!ありがとうございます。


by glennmie (2010-02-23 18:29) 

Mineosaurus

テクスチュアの密度・・・の比較がおかしいね。ツボにはまってしまいました。
by Mineosaurus (2010-02-23 20:25) 

glennmie

Mineosaurusさん、どうもありがとうございます。

ウケますよね!
Gouldに、nice!5つ差し上げたいくらい。
by glennmie (2010-02-23 21:07) 

glennmie

ユーフォさん、nice!ありがとうございます。
by glennmie (2010-02-25 08:38) 

glennmie

ミノ〜+さん、nice!ありがとうございます。
by glennmie (2010-07-29 01:29) 

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