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Bach Goldberg Variations・・・・・Quodlibet [私の録音( Bach )]

ゴールドベルク変奏曲・・・・子供の頃からの私の憧れの曲です。いつかバシっと弾けるようになりたいなぁ・・・
その美しいアリアは勿論ですが、
変奏No.18のカノンと変奏No.30のクォドリベットが、実は一番好き。


『クォドリベット』
バッハ事典によると
「複数の俗謡を同時に唱和する様子を描写した対位法的な音楽形式で、ユーモラスな性格とは裏腹に、内声部には緻密な技巧が要求される。」
ということらしいです。

複数のメロディーが交差する。
そう!! こういう音楽が大好きなんです!
だから、変奏No.30を聴くと、無条件にフリーズしてしまいます。あっち、こっちから沢山のメロディーが湧いてきて・・・・動けなくなっちゃうの。この曲は万華鏡みたい。

俗謡、というところがミソなんですよ~。
単一で聴くと、ありふれた、どこかできいたことがあるような身近なメロディー、それが2つ、3つと合わさると驚くべき音楽のマジックが出現してくるんですね~。

一種の余興みたいなものでしょうから、作品番号を持つ曲にはあまり見られませんが、モーツァルトやケージ(なんと!)はこのタイトルで作曲しています。
そして若い頃のBachも。

BWV524 “Was seind das vor grosse Schlösser”
抜粋部分しか現存せず、実態は不明の曲なのですが、自筆譜の透かしと筆跡、歌詞内容から見て、ミュールハウゼン時代に、エアフルトでの誰かの結婚祝いの際に歌われたと推測されていることから「結婚クォドリベット」とよばれているそうです。

BWV524-Facsimilie2.jpg




楽しいでしょう~?!



そして、わたしも頑張ってみました。
(またまた要調律のセバスチャン(私のピアノ)、来週にはハンサムな音になる予定ですが、無理して録音してしまった・・・)
Goldberg Variations No.30





この曲について書こうと思いましたが、そうだ!こんな素晴らしい音源があったんだ!
Gouldの55年盤のGoldbergのスタジオ・アウトテイク。
ここで彼がこの曲を説明してくれています。
これね、最高なんですよ。
彼と話しているのは、コロンビア・レコードのディレクターのハワード・スコットさん。
「27歳の記憶」のDVDにも登場した、あの皮肉屋のディレクターさんです。
55年、デビュー録音盤のディレクターでもあったのですね。




Gould:クォドリベット、テイク2!
スコット:え?
Gould:クォドリベット、テイク2って言ったの。
スコット:違うよ、変奏30、テイク2だよ。
Gould:ご存知ないの?バッハの時代のドイツの民謡を組み合わせたクォドリベット。
スコット:知らなかったよ。
Gould:あぁ、そう。だからクォドリベットといったんです。家族がリビングに集まって複数のポピュラー・ソングを同時にハモって歌うのがバッハ家の余興だったんですよ。これらのメロディーは、ドイツ語のタイトルはよく覚えてませんが、まあ、たわいもないものです。一つはこんな感じ・・・・も一つはこんな・・・・
スコット:ああ、わかったよ。2つの歌が合わさっているんだね。一つは「長いことご無沙汰してたね・・・・」、もうひとつは「キャベツとカブに僕は追い出された・・・」というやつだ・・・
Gould:そう・・・。ところで、僕もクォドリベットを作ったんですよ。こないだ、お風呂に入っていて思いついた。もうじき7月4日(アメリカの独立記念日)に招かれてコンサートをやるんですけど。「星条旗よ、永遠なれ」のリピートを割愛して、「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」の13小節目から入れるんです。それから「キング」をもう一度弾いて、その後半で和声を変えて、2度上に転調して(転調してる???)、すごくいいの!聴いてください。「キング」の途中からはじめて、その後に「星条旗」が入ります。
・・・・・・・・・・・・最後に2つのメロディーが平行8度になっちゃうんだけど、なかなかいいでしょ?





glennmie:うんうん、最高です^^
このクォドリベットが世界で一番、最高です!


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コメント 23

のん

BWV524楽しい~
なんか幸せな気分になります♪
クリスマスにもいいですね^^

そしてglennmieさんの変奏No.30ステキでした。
なんていうの?きらびやかさを感じました。
いつもすてきな演奏ありがとうございます(感涙)

by のん (2010-11-03 09:24) 

gezkaz

あぁ、もう幸せで身悶えです。
glennmieさんの演奏も、Gouldのおちゃめな音源も。
でも、ほんとこんなお宝を紹介してくださって、感謝。

こんなにハッピーにしてくださってありがとう!!

今日はよく眠れそうです〜。
明日また戻ってこよっと♪ うふふ。
by gezkaz (2010-11-03 10:07) 

glennmie

のんさん、いつもありがとうございます。

ね!楽しいでしょ~~!!
こういう余興を家族で楽しんじゃう環境って、羨ましいですよね。
もちろん、テレビもインターネットもない時代ですけど。
音楽が今の時代より、却って身近で実用性が高かったともいえますよね。
普段の日常生活の中の音楽に対する意識の高さに感動します。
by glennmie (2010-11-03 20:53) 

glennmie

gezkazさん、どうもありがとうございます。

Glennさん、デビュー録音の時からすでにもう、きてますよね~^^
よくよくお勉強していたということなのでしょうが、それだけじゃない。
彼が書いたデビュー盤のライナーノート、子供の頃に読んだこの文章が全ての始まりでした。。。。
勿論、意味なんかわからずにチンプンカンプンでしたけど。
こんなすごいピアニストって・・・もう・・・ステキです!
by glennmie (2010-11-03 21:04) 

glennmie

xml_xslさん、nice!ありがとうございます。

by glennmie (2010-11-03 21:05) 

glennmie

takemoviesさん、nice!ありがとうございます。


by glennmie (2010-11-03 21:06) 

glennmie

galapagosさん、nice!ありがとうございます。



by glennmie (2010-11-03 21:07) 

glennmie

dorobouhigeさん、nice!ありがとうございます。



by glennmie (2010-11-03 21:07) 

glennmie

cfpさん、nice!ありがとうございます。
by glennmie (2010-11-03 22:22) 

glennmie

アヨアン・イゴカーさん、nice!ありがとうございます。
by glennmie (2010-11-04 02:48) 

glennmie

tamanossimoさん、nice!ありがとうございます。
by glennmie (2010-11-04 09:24) 

ユーフォ

久しぶりのglennmieさんの録音♥
ピッピと2人(羽)で楽しませて頂きました(^^♪
セバスチャンさんのハンサムな音での演奏も
楽しみです。
いつも素敵な演奏ありがとうございます。
ユーフォ相方
by ユーフォ (2010-11-04 15:58) 

glennmie

ユーフォ相方さん、沢山nice!をくださってどうもありがとうございます!

ピッピちゃんと一緒に聴いてくださったんですね~
とっても嬉しいです♪
選曲をする時に、この曲はピッピが気にいってくれるかなぁ~と、あれこれ思いながら楽譜を見ています。
なんか、楽しみが増えました^^
ピッピちゃんに、とっても感謝です。
いつも暖かいコメント、ありがとうございます。
by glennmie (2010-11-04 18:15) 

glennmie

Mineosaurusさん、nice!ありがとうございます。
by glennmie (2010-11-05 00:13) 

macha

クォドリベットってあり合わせのもの使っておいしい料理を作って見せる感じですかね。ドイツっぽい発想なのかもしれませんね。
久しぶりにglennmieさんの演奏聞けて良かったです。ゴルドベルク30番って、なかなかいいですね。私も練習してみようかなー。
by macha (2010-11-05 01:07) 

glennmie

machaさん、コメントありがとうございます。

なるほど、ドイツ料理ってそんな感じなんですか。
いろんな歌で試してみたくなりますよね。
バッハ家のこの余興のことは、先日のフォルケルの本に出ていました。
Gouldも読んでいたんですね~。
30変奏、とてもいいでしょ?
「キャベツとカブに追い出された」テーマのアリアがこの後「長い間ご無沙汰だったね」と登場してくるわけ。
バッハの駄洒落でしょうか。
是非machaさんも弾いてみてください!楽しいですよ^^
by glennmie (2010-11-05 03:28) 

glennmie

PENGUINGさん、nice!ありがとうございます。
by glennmie (2010-11-05 15:10) 

glennmie

eternityさん、nice!ありがとうございます。
by glennmie (2010-11-06 12:02) 

macha

まあ、料理というか、ドイツ人はいろんなものを使いまわししますからね。
ドイツはビールとか乳製品はおいしいですけど、一般的に料理はまずかったなー。
キャベツと言えば、ザワークラウトって知ってます?
あれ、嫌になるほど出てきますよ。笑

ところで、グールドのゴルドベルクのCDって、全曲、一つのトラックになってませんか?私の入手したのはそうなっていて、聴きづらくて仕方ありません。曲ごとにトラックがわかれているCDも売ってるんですかね?
それにしても、glennmieさんの演奏はグールドにそっくりですね。笑
by macha (2010-11-07 22:50) 

glennmie

machaさん、

すっぱいキャベツでしょ?
好きですよ^^

全曲が1つのトラックになってるんですか。
初めて知りました。
何枚か持ってますが、私のは全部1トラックずつ分かれていますよ。
それ、なんでしょうね?55年盤のほうでしょうか。
そんなに似てますか・・・・聴きすぎかな・・・
でも、これが自分にとって一番しっくりくる・・・やっぱり聴きすぎですかね^^
そうそう、Rosalyn Tureckさんご存知ですか?
彼がとても影響を受けたという。
聴くとちょっとびっくりしますよ。

by glennmie (2010-11-08 01:33) 

glennmie

まるさん、nice!ありがとうございます。
by glennmie (2010-11-12 02:04) 

arata

glennmie 様
僕は、J.S.Bach のGoldberg が大好きなんですよ。やはり、J.S.Bach は、弦楽器の曲より、鍵盤楽器の曲に彼独自の世界を築いていると感じます。
Goldberg は、彼以外に書けなかったでしょう。Goldberg の演奏では、やはり、Gould が筆頭ですね。彼以外なら、M.Stadfeld が好きです。
arata
by arata (2010-11-15 16:50) 

glennmie

arataさん、どうもありがとうございます。

アイコンを変えられたんですね^^

Goldbergは、知れば知るほど奥が深いですね。
Gouldは、理論的な部分は勿論ですが、観念的なところでもBachの理想に近づいた人だと個人的には思っています。彼の晩年の、あの演奏を聴いてしまうと、なんて言うんでしょうね、現世を超えてしまったというのかな、彼の夭折に納得して悲しくなります。

マルティン・シュタットフェルトさん、私も好きです。
美しくてロマンティックな感性の人ですね。
by glennmie (2010-11-15 22:52) 

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