A♭とG♯ [音楽雑感]
現在、Bach の「クロマティック・ファンタジー」を勉強中です。
と言うか、
勉強しようと取り組んだ、その姿勢のまま何日かフリーズしています。
この曲、よくわからん・・・・
片手にペン、片手にガリガリ君を持ったまま譜面の前で硬直状態が何日か続いています。
見れば見るほど、わからなくなっていきます。
私の乏しい頭では、この曲を理解することはできないのだろう、ということはわかりましたが。
最大の疑問は、「Bachが何故、半音階の前奏曲を書こうとしたのか」、ということです。
この、一見アド・リブのような半音階のパッセージの羅列の中に、
どのような意図が隠されているのだろうか。
分析してみると、凄い複雑です。
転調とエンハーモニックなコードの置き換えが渦巻いていて、
ワーグナーも真っ青な神秘の世界。
(当時、この曲を真に理解できた人はいたのだろうか。。。)
この曲をピアノでそのまま弾くと、なんと言うか、
簡単に素晴らしくなってしまうんです。
ヴィルトゥオーゾ的でドラマティックで。
ペダル効果を利かせて演出効果を上げれば、誰でも容易にフランツ・リストになれてしまう。
でも、勿論Bachの意図はそんなところにはないのであって。
いろいろなエディションも見てみましたよ。
でも、例えばビューロー版とかブゾーニ版とかは、ピアノの劇的効果をもっと持ち上げるような
演出がしてあって、Bachの本質からはさらに遠ざかっているように思えます。
持っているレコードやCDをいろいろ聴き比べてみても、
やはりよくわからない・・・・
唯一参考になったのは、やっぱりね
Gouldの演奏です。
彼は、この曲が大嫌い!と公言していて、デフォルメのような録音を残しています。
そこに何かのヒントがあるに違いない、と思っています。
そしてもう一つ、手がかりになるようなレコードを見つけました。
ミケランジェロ・ロッシのトッカータNo.7です。
ちょっとこの部分を聴いてみてください。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
気持ち悪いでしょ~^^
平均律に慣れてしまった耳には、不気味な響きにしか聞こえないです。
解説によると、1/4コンマ中全音律のハープシコードによる・・・と書いてあります。
不等分音律では、半音階の中の半音の大きさは同じではない。
A♭とG♯、D♭とC♯は同じ音ではないのですよね。
古典調律の世界には、異名同音はないということなのでしょうか。
♯が♭より低くなるという現象も起きてくるから、このような響きが生まれてくるんですね。
現代の私たちは、楽譜の中に半音階のパッセージを見ると無条件に均一で流れるような、
流麗な響きをイメージしてしまいますが、
少なくともこの時代の音楽には、そんなイメージは通用しないということですね。
ロッシはこの奇怪な半音階の響きを意図して作曲したわけですから、譜面どおりのイメージで
スルスル~とピアノで弾いてしまっては間違いだ、ということになるのでしょう。
勿論、Bachの時代は修正ミーントーンの時代だから、ここまで歪な響きにはならないのでしょうが。
平均律のセバスチャン(私のピアノ)でこの曲を弾くためには、何をしたらよいのかな・・・・・
Gouldは、クロマティック・ファンタジーは"monstrosity"だと言っていました。
彼はこの曲に何をみつけたのかな。
もうじきお誕生日ですね、ちょこっと戻ってきて教えて欲しいな~。
と言うか、
勉強しようと取り組んだ、その姿勢のまま何日かフリーズしています。
この曲、よくわからん・・・・
片手にペン、片手にガリガリ君を持ったまま譜面の前で硬直状態が何日か続いています。
見れば見るほど、わからなくなっていきます。
私の乏しい頭では、この曲を理解することはできないのだろう、ということはわかりましたが。
最大の疑問は、「Bachが何故、半音階の前奏曲を書こうとしたのか」、ということです。
この、一見アド・リブのような半音階のパッセージの羅列の中に、
どのような意図が隠されているのだろうか。
分析してみると、凄い複雑です。
転調とエンハーモニックなコードの置き換えが渦巻いていて、
ワーグナーも真っ青な神秘の世界。
(当時、この曲を真に理解できた人はいたのだろうか。。。)
この曲をピアノでそのまま弾くと、なんと言うか、
簡単に素晴らしくなってしまうんです。
ヴィルトゥオーゾ的でドラマティックで。
ペダル効果を利かせて演出効果を上げれば、誰でも容易にフランツ・リストになれてしまう。
でも、勿論Bachの意図はそんなところにはないのであって。
いろいろなエディションも見てみましたよ。
でも、例えばビューロー版とかブゾーニ版とかは、ピアノの劇的効果をもっと持ち上げるような
演出がしてあって、Bachの本質からはさらに遠ざかっているように思えます。
持っているレコードやCDをいろいろ聴き比べてみても、
やはりよくわからない・・・・
唯一参考になったのは、やっぱりね
Gouldの演奏です。
彼は、この曲が大嫌い!と公言していて、デフォルメのような録音を残しています。
そこに何かのヒントがあるに違いない、と思っています。
そしてもう一つ、手がかりになるようなレコードを見つけました。
ミケランジェロ・ロッシのトッカータNo.7です。
ちょっとこの部分を聴いてみてください。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
気持ち悪いでしょ~^^
平均律に慣れてしまった耳には、不気味な響きにしか聞こえないです。
解説によると、1/4コンマ中全音律のハープシコードによる・・・と書いてあります。
不等分音律では、半音階の中の半音の大きさは同じではない。
A♭とG♯、D♭とC♯は同じ音ではないのですよね。
古典調律の世界には、異名同音はないということなのでしょうか。
♯が♭より低くなるという現象も起きてくるから、このような響きが生まれてくるんですね。
現代の私たちは、楽譜の中に半音階のパッセージを見ると無条件に均一で流れるような、
流麗な響きをイメージしてしまいますが、
少なくともこの時代の音楽には、そんなイメージは通用しないということですね。
ロッシはこの奇怪な半音階の響きを意図して作曲したわけですから、譜面どおりのイメージで
スルスル~とピアノで弾いてしまっては間違いだ、ということになるのでしょう。
勿論、Bachの時代は修正ミーントーンの時代だから、ここまで歪な響きにはならないのでしょうが。
平均律のセバスチャン(私のピアノ)でこの曲を弾くためには、何をしたらよいのかな・・・・・
Gouldは、クロマティック・ファンタジーは"monstrosity"だと言っていました。
彼はこの曲に何をみつけたのかな。
もうじきお誕生日ですね、ちょこっと戻ってきて教えて欲しいな~。
こんにちは。
素人の私には詳しい事は判りませんが、サンプルの気持ち悪さは伝わります。
納得のいく演奏が出来たら、載せて下さいね。
by musselwhite (2012-09-18 21:55)
musselwhiteさん、コメントありがとうございます。
うーん、そうですね。
あいかわらず悩んでいるんですけど・・・
自分なりに解決できるのかなぁ。
もうちょびっと頑張ってねばってみます。
結果をお披露目できるように。
by glennmie (2012-09-20 00:02)
ペンを持ってガリガリ勉強中かと思いましたら,片方はガリガリ君でしたか(笑)。
しかし,やはりこれはペンだけではなかなか解答見つかる可能性が少ないのではないでしょうか。音律適合性を実験実演しておられる方によれば,この曲は普通のミーントーンを少し均した修正ミーントーンでバッチリいける曲のようです(バッハの他の曲では合わないものもあるようですが)。きっとヴァロッティあたりでも可不可なく,平均律なら更に安全なわけですが。。。それから,#と♭の関係ひとつとっても,ピタゴラスとミーントーンとは上下関係逆ですから「古典音律はこう」と一律には捉えられないですね。
平均律でやっていると半音階は無調ですが,各種古典音律には各種各様のイントネーションがあるようです。バッハは転調可能性などを探る上で実験的に作曲したのではないでしょうか?
by Enrique (2012-09-20 07:30)
Enriqueさん、コメントありがとうございます。
なんてありがたいコメント!
お知恵を分けていただいて、感謝です。ありがとうございます。
そうか、なるほど・・・・
理屈がわかれば、これで前に進めます。
さすがですね~、Enriqueさん!
古典音律では、半音階もそれぞれなんですね。とても面白いです。
Bachの実験という言葉にちょっとピン!とくるものがありました。
Gouldが和音のアルペッジオにも半音を入れている意味もなんとなく
わかる気がしてきました。
なるほど、なるほど。
面白いですね。頑張って練習にとりかかります。(`_´)ゝ
by glennmie (2012-09-20 13:20)
Enriqueさんにもnice!
by Mineosaurus (2012-09-20 21:36)
glennmie様に分からないのであれば
私にはチンプンカンプンです・・・
by ユーフォ (2012-09-24 21:38)
ユーフォさん、コメントありがとうございます。
いやいや、
私は毎日、すべてにおいてチンプンカンプンな存在です。
負けませんよ~<( ̄^ ̄)>
by glennmie (2012-09-25 01:11)