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アリアドネの糸 [私の録音( not Bach )]

秋のコンサートが終わって、沢山の反省点と共にブログにまとめを書こうと思いながら
随分日にちが経ってしまいました。

自分の中でもまだ整理がついていないので、何をどのように書いていいのかよくわからないのですが、
ひとつだけ。
一番大きなミス。
それは、演奏を途中で止めてもう一度弾きなおしをしてしまったことです。



演奏会では、演奏のチャンスはたった一度だけです。
Gouldの言う、「ノン・テイク2ネス」。
私はこれがどうしてもクリアできない。
「あっ!これはダメだ。今のナシ!」と思ってしまうと、気持ちが離れて続けることができなくなってしまいます。



「何が違うのか全然わからなかったよ。そのまま行っちゃえばよかったのに。」と散々言われました。
聴いている方には違いがわからないほどの個人的なこだわりは、ただの自己中心的なミスなのだから、
弾きなおしなどは許されないことなのだ、と反省しています。
反省はしているのだけれど、乗り越えられない・・・・


ステージ演奏は、本当に難しいです。





気分が晴れないまま、毎月恒例の「アナリーゼ講座」に出かけてきました。
当日は後ろに仕事が詰まっていて時間的に無理かも、という日でしたが、Ⅱ巻の9番は絶対にはずせない。
結果、無理して参加して本当によかった。
いつもに増して、素晴らしい講座でした。



BachがFischerの「Ariadone musica」からテーマを拝借していくつかの作品を書いていることは周知のことですが、
この日先生が演奏してくださったFischerのフーガは、他で聴いたことがないくらいに心のこもった美しい演奏でした。
「ドイツは日本よりももっともっと北にあって、とても寒いでしょうね。
そんな寒い北国で、ホントに素朴なお百姓さんや普通の人々が教会に集まって賛美歌を歌う。
そんなことを思い起こさせる、素朴で暖かい、素晴らしい音楽だと思いませんか?」


BachがFischerからもらったものは、単なる音の並びだけではなかったのだな。
音楽の真髄。




音楽のアリアドネは、こんな私にも糸をくれるかな・・・・






















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Mineosaurus

やってしまったんですね。ステージで演奏するというのは一度仕上がったものを全て忘れて向かうものだというのを聞いたことがあります。どういう境地か分かりませぬが、手前ミソで言うと一本のラインを描く時、描いた位置と微妙に違うなと思って(多分に感覚的なものであることが多いのだけど、)そのまま続けてゆくと描こうとしたイメージにやはり何処かたどり着けないものができあがります。後から修正しようとしても自分で描いたラインを後から拾い出すのがまた難しい。
考え方ですが、経験でそれが判ってきたとき、ボクは違うものを描いたのだと思うことにしています。その時できあがろうとしたものを仕上げて結果を見てあげないとかわいそうですね。尤も音楽は以後の作業が全て画面に残って、イメージと比較出来る絵画とは違うから、後悔が大きいのかな。ドントマインドです。
by Mineosaurus (2013-11-20 20:03) 

glennmie

Mineosaurusさん、ありがとうございます。

はい、やらかしてしまいました。(汗)
融通も応用も利かない不器用なところにもってきて、懐も相当浅い・・・
こんな風に弾きたい!、と希望に燃えて弾き始めて大抵は撃沈するんです。
緊張しているステージではそれがもっと始末に悪い。
こうでなければならない、という思い込みは脇に置いて臨んだほうがいいのでしょうね。

どんなものが出てきてしまっても自分の演奏なのだから大切にする・・・そんな気持ちは持っていませんでした。
途中で捨ててしまってかわいそうなことをしてしまいました。
そうですね・・・かわいそうなことをしてしまいました・・・・

Mineosaurusさん、ありがとうございますm(_ _"m)ペコリ


by glennmie (2013-11-20 23:46) 

chokou

コンサートお疲れ様です。
私は、年末にかけて、第九のコンサートに入り浸るつもりです。
さて、以前から告知していた、コーヒー豆の試飲キャンペーンを開催中です。
抽選で5名様に無料でコーヒー豆(挽くことも可能)
をプレゼント中です。もし宜しければ、ご参加お待ちしています。
by chokou (2013-12-04 05:04) 

ユーフォ

お久しぶりです!
ドンマイ!です~(^O^)/
私も今年は数々の本番を踏んできました。
(あくまでも裏方ですが)
本番ではハプニングがつきものです。
どんな形での演奏でもお客様に気持ちが
伝わればイイのではないでしょうか?
人間ですもの間違いはありますよ~
今回の糧にしてまた次回頑張ればイイじゃなですか~
コンサートは試練の場ではなくお客様、奏者が
楽しむべき所なんだと思います。
by ユーフォ (2013-12-20 16:43) 

glennmie

ユーフォさん、コメントありがとうございます。

落ち込んでいるときは、いつもユーフォさんに励ましてもらっていますね。
どうもありがとうございます。
おっしゃるとおりですね。
たぶん、自分でも納得できないままステージに上がってしまったことが
一番の問題なのだと思います。
自分が楽しくなければ誰も楽しくないですものね・・・^^;
これを糧にまた頑張ります。
ありがとうございました。
by glennmie (2013-12-24 21:01) 

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