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私の好きな人が弾く私の嫌いな曲 [Gould]

と、タイトルをつけてGouldがラジオ番組で紹介したピアニストが、アレクシス・ワイセンベルクです。

まあ、この動画を見てください。
曲は、ストラヴィンスキーのペトルーシュカです。

      

      やだわ、すごい・・・・




1.これほど上手にピアノを弾く人をしらない。
2.これほど上手に「ロマン派」の音楽を弾く人をしらない。

と、例によって箇条書きをしながら、Gouldはワイセンベルクを絶賛しています。
彼がワイセンベルクを素晴らしいと思う大きな理由として、ロマン派の曲に、古典派的な技巧をもってアプローチしている点を挙げています。

バッハのようなリズムの精密さ、モーツァルトのような旋律の明快さ、クレメンティのソナタに必要なハープシコード的強弱の格付け(つまり、p<f、f>pのようなダイナミズムではなくということですね)を念頭に置いて曲に取り組んでいるところが素晴らしいと。

一年のうち、ショパンに割り当てる時間が25分~30分のGouldが、ワイセンベルクのショパンの協奏曲を何回も何回も聴いたんだそうです。
ワイセンベルクのレパートリーは、Gouldの嫌いなものばかり。
それでも彼はワイセンベルクが弾くなら許しちゃったんですね。

ウチには、親が買ったワイセンベルクとカラヤンの、ラフマニノフのピアノコンチェルトがありますが(これ、私、大感動!したんですが)、Gouldによると、これはダメらしい。
レガート大好きのカラヤンと、音を点で捉えるワイセンベルクのバロック的アプローチはそぐわない、と言っています。
Gouldのお勧めは、ジョルジュ・プレートル指揮、シカゴ響の3番だそうです。

なんと、タワーレコードからでてましたよ!
しかも、たったの840円ですよ、お客さん!!


これ、実に素晴らしい演奏ですよ。カラヤンとの競演と聴き比べてみて、Gouldの言っていたことがよくよくわかりました。
Gouldは決して弾かなかったレパートリーですが、彼が弾いてもきっとこんな感じのラフマニノフになったんだろうな・・・と思います。
どんなに大量の音でも、どんなに早いパッセージでも、一つ一つの音が手のひらに乗っているかのようにコロコロと湧き上がってきます。クールで鋼のような演奏です。


おまけ
上記のペトルーシュカの映像ですが、演奏もさることながら、個性的なカメラアングルもイケてますよね。
この映像を見たカラヤンがすっかりほれ込んで、演奏者とカメラマン、二人セットで競演を申し込んだとか。
それがこちらです。








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まり

やだ…ほんとどうしよう…続けてコメントしてるんでしばらく遠慮しようと思ってたんだが…
がーっ!ワイセンベルク好きですー!
うちクラシカチャンネル入ってるんですが、2年位前にカラヤンとのラフマニノフやってました。一目惚れです。そう、わたしの場合は見た目から入りました。顔もそうだけど、弾く姿勢や弾き方が一本気(変?)で。
勢いで彼の弾いているバロック系購入したのですが。……好みじゃなかった。
なんていうか、綺麗すぎて。その中にゴールドベルクもありました。
その頃はピアノを再開したばかりながら、バッハに傾きつつあった。
違う。こうじゃない!って素人ながら感じてました。ふふ。お次がグールド。
これだぁぁ!って、またまた素人ながら感じました。ピアノで弾くバッハはこの人しかいない!ってことで、2・3枚は買ったかな?
その後チェンバロに走っちまったんで…
今、出先からの投稿なんで動画が見られません。
明日ゆっくり見て見ます。今日は、オノフリのコンサートに来てるけど、これには来ていないですか?
(そんなに好みヒットしませんよね)
by まり (2009-12-09 16:26) 

gezkaz

Glennmieさん、こんにちはー。
コメントはご無沙汰ですが、いつも拝見してます。
私にはお話が難しいことが多いので、コメントで絡んでいけることがあまりないのですが、部屋の片隅で、ひとりふむふむ「へぇー」と、興味深くお話を聴いています(笑)。

タワーレコードで、思わず、注文しちゃいましたよ! 年末年始に日本に帰るので、もって帰ってくるのが楽しみです。こちらのアマゾンでも見てみましたが、もう取り扱ってないようだったので、嬉しいです♪
by gezkaz (2009-12-09 19:22) 

glennmie

OH!!!! まりさん!!
オノフリですかぁ!ということは、今紀尾井にいるんですね!
残念、私は今、家にいます。丁度帰宅ナウ。
コレッリ、聴きたかった・・・・感想お待ちしてます。

ワイセンベルク、凄いですよねぇ・・・・顔も指も・・・・・小柄なのにねぇ・・・・
そうなの、そうなの、かれのバッハは端正だけど面白くない。
やっぱりラフとかストラヴィンスキーとかロシアものが超カッコイイ!

まりさん、遠慮なんて・・・沢山お話聞かせてください。


by glennmie (2009-12-09 21:38) 

glennmie

gezkazさん、こんばんは!!!

コメント、ありがとうございます!

そうですか、ゲットですか、よかったぁ!ワイセンベルグ、凄くてビックリしますよ!
タワレコしか扱ってないみたいなんです。amazonは最初からなかったみたい。
見つけたときは、驚きで立ち上がっちゃいましたよ。

Gouldの目利きってすごいですねー。
カナダのコンクールで落選したヴァイオリニストの、あの、あの、カントロフを(当時17歳)、一人認めていたのもGouldなんです。
今のカントロフの活躍を見る度に、Gouldの感性がどれだけ時代を先取りして正しかったかがわかります・・・・

ワイセンベルクが届いたら、是非感想を語り合いましょうね^^


by glennmie (2009-12-09 21:52) 

まり

図々しい奴で・・・
動画見て思い出した。チェロの人も好みだった!
すんません、くだらないことで・・・
久しぶりに見た。やっぱりいいですねぇ。
んで、音源つながっているけどこれって別撮りしてるよね?
お客さんいるのにありえないアングルから撮っているし。
もう1本、カラヤンとチャイコも撮っているんでそれも見てみて。
やりすぎでしょ。って感じなんで。


by まり (2009-12-10 16:16) 

glennmie

まりさん!

うん、多分別撮り。カラヤン、そういうの得意だし。

見ちゃった、チャイコ・・・・
やだ、見てるほうが恥ずかしくなっちゃうほどの凝りようですね。

カラヤンってナルちゃん・・・・

ワイセンベルク、つくづく凄いですね。
テクニックが、説得力が、上腕の筋肉と肩の力が、あの指の角度が・・・・無表情が・・・

by glennmie (2009-12-10 18:54) 

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