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Gould on TV [Gould]





GouldもCD318(彼のピアノ)も絶好調の時の映像ですね。
私はこの動画が大好き。
この曲が嫌いと言ってたくせに、こんな素晴らしい演奏をしたりするんだ。
オープニングの弾き方が変わっているとよく言われますけど、でもこれって楽譜通りじゃありません?
鍵盤の上に置かれた手の形とか、指使いとか、私にとっては驚異なんです。
どんな音型を弾くときも手の甲がひっくり返ったり捩れたりしないんですよ。
無駄な動きは一切なく確実に打鍵する。
そしてどの音も芯をしっかりつかんで、硬質な透明な響きでキラキラしています。

以前、クリアでしっかりした音を素早く打鍵するにはどうしたらいいんですか?と尋ねられ、
さぁ・・・気合じゃない?と答えて、その方にスクールを退会されてしまったことを思い出します。
でも、やっぱり私はそう思います。
気合と執念だ。
高い木の枝から実をもぎ取る猿のような・・・と言われようとも、この演奏スタイルで彼は滅茶苦茶美しい響きを生み出したんだ。
猿だって牛だって構わない・・・いや、牛はヒヅメだから多少困る。




コンサート活動をドロップアウトしてスタジオに篭った彼ですが、
演奏の素晴らしさは勿論、視覚的にもとても人を惹きつけるものを持っていて、
やはり時々テレビでこういう演奏の姿を見せてくれたのはよかったなぁ、と思います。


本人は凄く真剣なのですが、ひとつひとつの動作がとってもキュート。
出番がない時はオケの方を向いて全身で指揮者を見ちゃったり、
鍵盤から手が離れる時は、どんなに短い間でも手をひざの上に戻そうとしたり、
勢いあまって飛び上がってタイミングをはずしちゃったり、
例のイスのボロボロのシートが丸見えになっちゃたり、
クールなスタジオ録音盤からは想像もつかない活き活きとした姿がとても素敵です。




最近、彼のテレビ映像が次々と公開されるようになって思うんですが、
ステージでのコンサート活動がイヤだっただけで、この人は何気に出たがりなのではないの?



↓こんなところに、チラッと出てきたり。これってしばらくたってから妙に可笑しくなる。





パリのエスプリから程遠いGouldがプーランク?と思って見ていると変なおじいちゃんが・・・・






余談ですが、
今年はプーランクの没後50年ですね。
ということは楽譜とかもろもろ、パブリック・ドメインになるのかな。
ただ、日本はダメなんですよね。
戦時加算というのがあるから。10年くらい先延ばしになる。
戦争に負けると、こんなことにも影響が出てくるんですね。







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プロフェッショナル [音楽雑感]














もうじきまた、3月11日がやってきます。
未曾有の大震災、未曾有の原発事故から2年目。
2年が過ぎて何かが変わったのかな。



自分の意識の中では、いろいろなことが変化しました。
テレビを一切見なくなりました。
平気でウソをつく人たちに無駄な期待をすることは、もうやめました。
今ある自分が、本当にたまたま偶然で生きているのだということを知りました。
今まで好きだったものが、心から本当にますます好きになりました。



未来を楽観したり、悲観したりすることの無意味さを実感しました。
誰かをあてにしたり頼りにしてじっと待っているよりも、
本当に好きなことを好きなだけやればいいんだ。
好きなこと、熱中できることがあるということがどれだけ幸せなことか。


全ての人が、自分の得意なこと、本当に好きなことにひたすら努力すればいい。





「未来?・・・・真っ暗。
お先真っ暗で何が悪いんだよ。
その中に、どんなに勉強しても得られないすごいことが待っているかもしれないじゃない。
真っ暗はいいねぇ、みんな平等で。」
                  甲本ヒロト

































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'Siegfried Idyll'......練習の記録 [Gould]

ただ今、Gouldが編曲した「ジークフリート牧歌」と、格闘中です。
そう、まさに格闘中です。
やっとやっと、どうにかこうにか音がとれるようになってきました。
おいおい、1週間もかかってしまったぞ[あせあせ(飛び散る汗)]


これ、本当にむずかしい・・・
何がむずかしいって、この人の楽譜を読み解くのが非常に難儀なんです。
私のはかなげな脳細胞には、かなり過酷なんですよね・・・・
一応ピアノ譜の形はとっていますが、右手と左手の区別はないに等しいです。
運指も手の指定もないので悩むことしきり。
メロデイーを両手分割でとったり、左が右を越えて、右が左をくぐって、左が3声分を担当しながら
メロディーの一部に参加したり・・・・もつれるの。
オーケストラ譜を見ながら弾いているのとあまりかわらないんじゃないの?と、思う。




参考に、オーケストラ譜も見てみました。
そして、いろいろなことに気がつきました。
基本、原譜に非常に忠実に編曲してあって、それを10本の指で最大限再現できるように
とてもセンスよくまとめられていることがわかりました。
所謂ピアノ・アレンジにありがちな、華麗な装飾とか派手な演出は一切なく、原曲そのものの響きにこだわっているところがまた素敵です。
弦楽器の長~い音なども、トリルやトレモランドにせず、ポツンと一音だけ。
低音をポツンと置くと、その間に他のパートの旋律を重ねていくものだから、一音一音の意味と成り行きを把握していないとぐっちゃぐちゃになってしまいます。



確か以前にも書きましたが、Gouldがピアノ編曲について語っているインタビューがありまして、
そのポリシーが今、はっきりわかってきました。
重複しますが、もう一度載せておきます。

●左手の音をオクターヴで轟かせることはしない。
左手のベースラインをオクターヴ取りで、ダダダッと鳴らす手法。
リストやブゾーニがBachのオルガン曲を編曲する時に良く使う手法ですが、音の透明感や指の独立を妨げるからよろしくない。
見た目には凄そうですが、「ママ見て、手放しで乗れるよ!」的な効果を発揮するだけで、音楽的には意味がないと言っています。

●ロング・トーンはトレモランドにしない。
これもリストがよく使う手法ですが、これは使わない。
リストは、ひどい時には左手ばかりでなく、右手までもトレモランドさせていて、まるで近所のセイディーおばさんが自宅のリビングでアップライト・ピアノを嬉々としてかき鳴らしているようでいやなのだそうです。

●ピアノに精通した人がオーケストラ曲を作るとどうなるのか、と逆に推測する。
ピアノの音は減衰音であるのだから、再現するにはどうしても制約が出てきます。
まず、音が減衰していくことも考えずにいつまでも和音を押さえておかない、
弦のパートで和音がだんだん音量を増して行くのを期待してはいけない、という決まりを予め作り、その代わりの手法として、モティーフに時間的なズレを施してテーマが止まることがないように、などの工夫したのだそうです。



う~~ん・・・究極の凝り性ですね。
こんなにこだわって心を込めて編曲されているのを知って、もっともっと頑張らねばと思いました。
大切な楽譜、感謝しながら心を込めて弾かせていただきます。





彼は後に、実際にオーケストラを指揮してこの曲を録音していますが、
私は断然、このピアノ版が好きです。


image-402732-galleryV9-dbmu.jpg

作曲家や指揮者になりたかったピアニスト。
自分はピアニストではない、と言うピアニスト。
だから他の誰とも違うピアニストとして、彼は素晴らしいのだと思います。






おまけ

昔よく聴いていたレコードがyoutubeにありました。
チェリビダッケ










 
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Aimez-vous Wagner? [Gould]

ワーグナーの音楽はとても好きなのですが、
心から共感できるか、と問われるとちょっと躊躇してしまう。

その神秘的で美しい音楽の後ろに、退廃的で排他的で背徳的で・・・・どす黒い何かを感じてしまうからかもしれません。
かつてのバイエルンの王様を狂わし、ヒトラーに熱狂的に支持された音楽。
ワーグナーの好き度は、体内にある男性ホルモンの含有量の度合いに比例するのではないか。
闘争心、征服欲、野望・・・・
ワーグナーの楽劇は、神話の世界を借りて現実世界のダークな部分を煽っていると思う。




そんな中でも心から大好き!と思える曲があります。
それは、「ジークフリート牧歌」

昔、クリスマスの朝には必ず父がこの曲を流していて、耳にこびりついてしまった。
野山にこだまする角笛の響きや、ジークフリートが小鳥と対話するシーンが大好きで、
今でも聴くたびにうっとりします。

小編成のオーケストラで演奏されるので、ひとつひとつのパートのラインをしっかり追うことができて、
対位法を勉強するようになると、その作曲技術の凄さがよくわかるようになって、
ワーグナーって凄いんだなぁ、と思うわけです。




その作曲技術の凄さがより深く理解できたのが、Gouldの編曲したピアノ版の演奏でした。






ピアノ一本の演奏なのに、オーケストラのように饒舌で、本当に美しいんです。


何年か前にその楽譜を入手して、自分も弾いてみようと思ったことがあります。
でも、
滅茶苦茶難しいんですよ~。
四苦八苦しながら音を追い続けているうちに、なんだか恐ろしくなってきました。
うまく表現できないのですが、
深く黒い水の中に引きずり込まれるような・・・
メロディーが複雑に交差する音の渦の向こう側に、何かがいる。
その何かが、チラッと見えたような・・・・
怖い!と思って練習をやめてしまった。




今年はですね、それをなんとか弾いて見ようと思っているのです。
今年は大丈夫、怖くないのですよ。
強力な「おまもり」をゲットしましたから。
それはですね、




写真.JPG

ジャカジャン!

ぐーるどかれんだぁー!!(ドラえもんの声で)







これがあれば、大丈夫だし。
ピアノの向こう側に立てかけて「護符」代わりにして練習をはじめました。





ところがですね。
じっと見られているのがまた、居心地悪くて。
「あーっ、そこ違う!」
とか
「なにそれ~~!」
とか言われてしまうような気がして。


なので、
7月を常駐させることにしました。

GG2012_05.jpg

むこう向いて寝てくれてるし。



今年はこの曲に再チャレンジして不況を乗り越えようと考えております。










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Arioso [私の録音( Bach )]

今年に入って、まだ1ヶ月しか経っていないのに、
私の身近な人が4人も亡くなってしまいました。


人生は、ある日突然に、終わってしまうものなんだな。
自分の意志とは関係なく。





死が悲しいのではない。
悲しみは、後に残された人のもの。
お葬式は、残された人々のためにあるのかもしれない。
私自身は喪服を持っていません。



人生は、どれだけ生きたかではなく、
どう生きたかが大切なのだから。
自分に正直に、自分にとっての幸福を大切に生きていきたい。




そして、最後の日には、泡のように、ふっと消えたい。






























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The well tempered Clavichord [音楽雑感]

kotenさんのお宅にお邪魔して、
新品のクラヴィコードを見せていただきました。





とても綺麗で可愛らしい。

写真3.JPG





調律はkotenさんがご自分で。
キルンベルガーⅢでしたっけ??、あっⅡでしたっけ????(汗)

写真2.JPG




鍵盤はこんな感じ。
黒鍵がとても短いので、慣れるまで少しかかりました。

写真.JPG




とても美しい音色で、上手に弾けたらどんなに素晴らしかったかな。




クラヴィコードは音がとても小さいとよく言われますが、どうでしょうか。
石造りのヨーロッパのお部屋で、外に車も走らない静かな環境の中、
繊細なこの楽器の音は、これはこれで十分だったのでは、と思いました。



kotenさんがアンサンブル用の楽譜をいくつか用意してくださっていたので、
彼のギター演奏で合わせていただきました。




Rossignol というルネッサンス期の曲だそうです。
ロシニョールはフランス語でナイチンゲールという鳥のことだそうです。
作曲者は・・・誰でしたっけ[あせあせ(飛び散る汗)]


こちらは、グリーン・スリーヴス。
ギターとクラヴィコードの音色は案外相性がいいのかもしれませんね。




貴重な経験をさせていただきまして、kotenさん、どうもありがとうございました。









220px-Gerard_Dou,_Woman_at_the_Clavicord.jpg























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HAPPY NEW YEAR 2013 [音楽雑感]



tubaki_6.jpg









新年、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ宜しくお願いいたします。





今年も、やりたいことが沢山あります。
弾きたい曲もたくさん。
どこまでできるかわかりませんが、楽しく音楽を学んでいきたいと思っています。
皆さんも、素敵な良い年をお迎えください。









今日、朝起きたらこの曲が流れていました。
新年一番に聴く曲。
幸先が良いです^^











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Conversation with Bruno [Gould]


今年も残すところ、あと1日となりましたね。
皆さんにとって、今年一年はどんな年でしたでしょうか。






私にとって、今年最もうれしかったこと。
それは、ずっと念願だった、↓

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このビデオがDVD化されて発売されたことです。





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これです。





もう、その素晴らしい内容には大拍手!!です。crowd_applause.gif
これは宝物。
火事になったら真っ先に持って逃げる。






その中でちょっと面白い部分があって、
Gouldの毒舌が炸裂していて、
これは年末を飾るに相応しい、と思ったのでupしておきます。




「ベートーヴェンの中期批判を蒸し返すのはやめておくよ。
第5交響曲の尊大さ、ヴァイオリン・コンチェルトの陳腐さ、熱情ソナタの空疎さをいくら力説しても
無駄みたいだから。
議論をするのはやめておくよ。主張したって徒労におわるのはわかっているから。
例えばこれ、(と、「皇帝」の1フレーズを弾いて見せて)
このつまらないテーマ。(ジャンク!と言っています^^)
ベートーヴェンの性格は面白いよ。
中期にあれだけの駄作を書きながら、自分の正当性を信じて疑わなかった。
あきれるよ。
ほとんどの作曲家にはあんな才能はないよ。あんな厚顔無恥にはなれないよ。
自分でも納得できないから聴衆にも支持されないんだ。
大抵の作曲家は、ベートーヴェンより気が弱い・・・・・・」



ヾ(^▽^*おわはははっ!!







皆さん、良いお年をお迎えくださいませ。
来年も、どうぞ宜しくお願いいたします。













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Campus stellae (4) [音楽雑感]

10歳の誕生日のプレゼントは、Glenn Gouldのデビュー・アルバムでした。
その音を聴いて、世界が激変しました。
キラキラと輝く音の粒が跳躍したり追いかけっこをしながら目の前を駆け抜けてゆく、
その不思議な世界にすっかり魅了されたんです。

それまでの自分の閉塞的な生活が、息をし始めたように思いました。
周りのすべてのことに馴染めず、理解できず、息を殺してじっとしていた自分の生活に
新鮮な空気が流れ込んできた!その感覚は今でも忘れていません。


当時、ピアノの練習はひたすら退屈で、厳しい先生のレッスンはただただ苦行。



gould.jpg
この人は、何故こんなに楽しげにピアノを弾いているのだろう・・・
こんなに夢中になれる「音楽」ってなんだろう・・・
音楽の秘密を知りたくなりました。



「音楽すること」の本当の意味をGouldが教えてくれました。


それからずっと、ずっとずーっと、私はその憧れと幻影をただひたすら追いかけてきました。






今から3年と少し前に、このブログをはじめました。
最初は自分の演奏を客観的に、少し離れたところから聴いてみたいという単純な好奇心だけでした。
でもその効果は、想像もつかないものでした。
世界は広くて大きくて、凄い。
沢山の方から、とても素晴らしいアドバイスやコメントをいただき、賢い知識を分けていただきました。
それまで、自分の部屋の小さな空間で充足していた私の音楽の世界の前に、息を呑むほど広大で、深遠で、果てしない音楽の宇宙が開けてきました。
私は、今、その入り口に立って呆然とその景色を眺めている状態です。




今回のコンサートは、一つの道標にしたいと思っていました。
今の自分にできる最善のことをしておきたい、と思いました。
雨の中、聴きにいらしてくださった方々、ブログの記事に励ましや暖かい言葉をくださった方々、
本当にありがとうございました。m(_ _)m

乗り越えなければならない課題や、さらに新たな課題を沢山抱え込む結果になりましたが、
もっと頑張ろう、と新たな決意もできました。
こんな私の演奏に暖かい拍手をおくってくださって、皆さんホントにいい人だ。
大殺界だの天中殺だの言っていた自分が恥ずかしいです。



自分の周りの全ての人、全ての事に、今は、ひたすら感謝しています。
どうもありがとうございました。











Campus stellae ・・・・私の脳裏に、確かに星は降ってきました。

















merry_2.jpg

























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アルフレート・ブレンデル 2008 [音楽雑感]

私の職場は渋谷にあるのですが、
私はこの街がホントに嫌いです。通勤が苦痛で仕方がない。

雑多で美しくない街並み、人混み、朝から夜まで変化のないヒステリックな騒音・・・・
自分の都合だけに没頭し突進するマナーの悪い人々。
耳にはイヤホン、手にはスマートフォン、真っ直ぐ歩かない人々はお互いにぶつかっても
あやまらない。

最近、特にひどくなりましたねと言ったら、
先日ヨーロッパから帰国したばかりの調律師さんが、
いや、あちらも似たようなものですよ、と仰っていました。


人間の質の変化は世界レベルなのでしょうか。
歴史を勉強していてよく思うことなのですが、
20世紀の2つの世界大戦は、計り知れない犠牲を払ってしまった。
地球にも、人間にも。
大戦以降に生み出されたものは、思想も芸術も重く、暗く、冷酷だ。





「Art of Piano」というDVDがありますね。
ご覧になった方は多いと思いますが、本当にビックリします。
20世紀の100年間にこんなに沢山の「素晴らしい人」がいたんだなぁ・・・と。
フィッシャー、コルトー、バックハウス、ホロヴィッツ、ミケランジェリ、ルービンシュタイン・・・・・
まさに偉大なピアニストのラッシュです。
そして、皆去っていってしまった。
世紀を跨いで活躍していた方々も次々にこの世を去り、現場を離れ、
昔の良き時代の香りのするピアニストは、いなくなりつつあります。
21世紀版「Art of Piano」には、これからどんな人が名前を載せていくのでしょうか。


art_piano-546x442.jpg





数年前にステージを降りて後進の育成に余生を送る決心をなさったブレンデルさんの、ステキな動画を見つけました。
フランスのTV番組なのでフランス語の吹き替えが入ってしまい、フランス語がわからない私にはそこがちょっと残念なのですが、それでも沢山のことが伝わってきます。
丁度引退を宣言した直後のブレンデルさんと、彼にピアノを習う少年(見た限りでは、中国系のアメリカ人のようです)のドキュメンタリーです。
(調べてみましたら、ブレンデルさんはGouldよりも年上なんですね。驚きました。)







ヨーロッパの田舎の景色と、穏やかな静けさに心を奪われます。
小さな教会でリストの巡礼の年を演奏するブレンデル。(16:30あたりから)
その幻想的で美しい演奏は、ちょっと忘れがたいですね。
一方、これから世に出て行くであろう才能豊かなこの少年は、都会の近代的な大ホールで経験を積んでいきます。
彼の幼少の頃のビデオが凄いですよ。(48:15ころから)
ブレンデルの指導の下、奢ることなく誠実に音楽と向き合っているこの少年のひたむきな感じもとてもいいです。
ゆとりを持ちながらステージを降り、美しい環境の中で後進の育成に心を配るブレンデルさんの人生はとても素晴らしいな、と感動しました。






渋谷の雑踏の中で、果たしてこんな美しい音楽や心が育つかな・・・・









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